破果 著者 : ク・ビョンモ
ニックネーム : Maria 掲示日 : 2023-04-11


ノワール小説なんて、読んだことがないに等しかったが、主人公の境遇に惹かれて手に取ってみた。36歳の医師に恋心を抱いたり、無心と名づけた犬に愛情を示したりと、境遇から人に執着してこなかった人生に変化が訪れる。その変化は自然で、本人もよくわかっていない流れの中でやってくる。
もう一人、キーパーソンが登場する。彼もまた彼女に愛着というよりもっと強い執着を見せる。
結局、彼らは「だれかに愛されたい」という共通の願いを、うまく人に伝えられない人たちの集まりなんじゃないかと思った。また、主人公のキャラクターを構成する、貧困、女、高齢者などのマイノリティになりがちな要素を、培ってきたこれまでの殺し屋としてのキャリアがカバーしてくれるか否か。そこに着目して読んでもおもしろく、歴史も絡んできて思いのほか壮大な物語。最後にタイトルを見返すと、ああ、そうだなと。読後に余韻が残る良い作品だった。

表紙 タイトル
破果 ク・ビョンモ self
ノワール小説なんて、読んだことがないに等しかったが、主人公の境遇に惹かれて手に取ってみた。36歳の医師に恋心を抱いたり、無心と名づけた犬に愛情を示したりと、境遇から人に執着してこなかった人生に変化が訪...
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