天文学者は星を観ない 著者 : シム・チェギョン
ニックネーム : Maria 掲示日 : 2022-12-29


素敵な本だった。フィクションよりもドラマのような内容だった。
教養講義として受講する学生への愛に溢れた教授。
特に第2章は、韓国初の女性宇宙飛行士に対する世間の視線と、今でもこうなのかと思うくらい悲しすぎる女性蔑視。
現在、日本でも新しい宇宙飛行士が選抜中で10名が選考に残っている。そのうち2名が女性だ。日本で実際に宇宙飛行士として活動した人は12名いるが、そのうち女性は2名のみだ。
理系の研究職は体力的にも大変だろうが、この本を読んで日本はまだ恵まれているのかもしれないと思ったけれども、やはりせっかくだから女性に宇宙に行ってほしいとも思った。もちろん、研究遂行能力により公平に選ばれるべきだが。
筆者が日常で直面してきた無意識化の女性差別について、軽やかに描かれている。
最後の章では、小さな天文学の授業が繰り広げられる。小説やドラマの名前の引用があったり、天文学を身近に感じられるのは著者の文才によるものだろう。星空がきれいに見える関東平野の冬にもってこいの本だった。

表紙 タイトル
普通のノウル イヒヨンさん
17歳の少年ノウルが「普通」って何だろうと頭を悩ませながら、他の誰でもない自分だけの基準と価値観に基づいて普通や当たり前と向き合い受け入れていく姿に、「それでいいんだよな」と私も勇気をもらいました。生...
破果 ク・ビョンモ
60代の女殺し屋が最後の死闘に向かっていく様子を、鮮明に、もはや生々しく感じられる物語でした。中でも特に、最終盤の闘いの場面では思わず呼吸が速くなったし、何度も目をつむってしまうほどでした。 また、...
プリズム ソン・ウォンピョン
本書でめぐった4つの季節・一年を、2日で駆け抜けてしまった。読み進めなければ、誰が誰とつながり、誰が誰にどんな感情を持っているのかを忘れてしまいそうだったから。 物語は夏からはじまり、夏でおわる。や...
オアシス イ・チャンドン
オアシス イ・チャンドン ヴィレッジブックス 若い女性コンジュは重度の脳性麻痺で言葉も体も 自ら操ることは不自由であった、 男ジョンドウは適応障害で問題を起こさずに社会生活を送ることが不得手で...
天文学者は星を観ない シム・チェギョン self
素敵な本だった。フィクションよりもドラマのような内容だった。 教養講義として受講する学生への愛に溢れた教授。 特に第2章は、韓国初の女性宇宙飛行士に対する世間の視線と、今でもこうなのかと思うくらい...


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