三十の反撃 著者 : ソン・ウォンピョン
ニックネーム : Maria 掲示日 : 2022-03-19


就職氷河期で苦しんだ人、非正規雇用で存在意義が感じられない人、就職面接に何度も落ち続けている人の希望の光になるような作品である。主人公は88年生まれの非正規社員。少しでも文化芸術に関わりたくて大企業の文化アカデミー講座の部署にいる。権威がそう簡単には崩れない様や上司には上司なりの苦しみがあるということが細やかに描かれている。権威者側に立った人に対しては、いい椅子に座ったからといって天狗になるな、椅子は椅子でしかないと言うメッセージをおくっている。ウクレレ教室で出会った全く違う背景を持った仲間たちとの共謀はワクワクするが、その終結までたどる過程がリアルで、誰が読んでも登場人物のうちの誰かには共感できるのではないだろうか。すべてのキャラクターが完璧なようでもどこか抜けがあり、憎めない愛らしい存在である。人の一面を見て判断してしまうのではなく、関わり合いの中でこそ人の魅力はみえてくるもの。世の中に自分の存在価値がないように感じている人に寄り添ってくれるような作品である。

表紙 タイトル
そばの花の咲く頃 (日帝時代民族文学対訳選) 李孝石
いちめんの白い麦の花は月の明りに照らされて 人も驢馬もおのれの影を踏みながら峠道を行く。 李孝石の世界に魅せられて彼の故郷である 江原道平昌の地を訪ねてみたいと思うのは私だけでないみたいだ。...
あのこは美人 フランシス・チャ
アメリカ生まれで中学、高校が韓国、大学からは再びアメリカだったという筆者の生い立ちと、記者として韓国で働いていた経験、ある意味当事者でもある筆者に興味を持って、手を取りました。 美容整形とルッキズム...
82年生まれ、キム・ジヨン チョ・ナムジュ
たまたま文春オンラインで共に民主党の非常対策委員会共同委員長のパク・ジヒョン氏についての記事を読み、大統領選の大接戦が女性の権利をめぐる争点によってもたらされたことを知りました。NHKBSスペシャルで...
シソンから チョン・セラン
シム・シソンさんの十回忌の祭祀をハワイで素敵な方法で行う計画がとっぴで、大家族のそれぞれの生き方や悩みが身近に感じられました。なんといってもシム・シソンさんの生前が素敵です。カッコいい女性。こんなおば...
三十の反撃 ソン・ウォンピョン self
就職氷河期で苦しんだ人、非正規雇用で存在意義が感じられない人、就職面接に何度も落ち続けている人の希望の光になるような作品である。主人公は88年生まれの非正規社員。少しでも文化芸術に関わりたくて大企業の...


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