第1回 韓国童話読書感想文コンクールへのご応募頂きました皆様、ありがとうございました。厳正なる審査の結果、下記の通り入賞者が決定致しました。
【学生の部】
最優秀賞 山田幸貴
優秀賞 該当なし
佳作 該当なし
【一般の部】
最優秀賞 該当なし
優秀賞 山崎さやか
佳作 田島麗
土肥広菜
※審査について
【学生の部】
このコンクールを通して韓国と日本の文化の違いに気づいたり、また国が違っても兄弟や家族など大切なことは同じ、と気づいたり、と韓国の文学を読むことで視野の広がりがみられたのはうれしいことだった。 課題図書を読んで、最後までやりぬくことの大切さや、家族愛などに感動したという率直な感想が述べられている作品が多く、好感が持てた。また、これらの童話を読んだきっかけや、感想文コンクールに応募した動機も知りたくなった。
【一般の部】
課題図書を深く読み込み、登場人物に感情移入をして感想を綴った作品が多かったのは喜ばしい。課題図書を読んで率直な感想を述べた作品がある一方で、韓国と日本の文化の違いをやや分析的に述べた作品もあり、多様な作品が寄せられた。
【最優秀賞 山田幸貴さん 応募感想文】
課題図書:ぼくのすてきなお兄ちゃん
感想文題名:ぼくの名前と貴い幸せ
『ぼくのすてきなお兄ちゃん』は、のうせいまひの兄ジョンシクと弟ジョンミンが幸せをみつけた物語です。
ぼくはこの本を読もうとして、さいしょのページを開いた時、筆者の言葉が気になりました。その中に、「貴い幸せ」という言葉があり、自分の名前の「幸貴」という漢字と同じだったからです。なので、「貴い幸せ」は、ふ通の幸せとはどうちがうのかきょう味がわき、それについて考えてみることにしました。
ふ通の幸せは、たん生日などだれから見ても幸せだと思えることだと思います。これに対して、ジョンシクとジョンミンが見つけた「貴い幸せ」は、全く種類のちがうものだと思いました。しょうがいがある兄ジョンシクは、はじめから幸せを感じていたわけではありません。弟ジョンミンも同じでした。とつ然、しょうがい者である兄とくらすことになったことがいやで、家出したりなやんだりしたのです。でも、兄ジョンシクは、おばあさんに「ねうちのある子どもになりなさい」と言われ、たくさんの本を読み、運動にもはげみ、パソコンもできるようになりました。そうしてジョンシクは幸せを感じるようになっていきました。弟ジョンミンは、家出をして帰ってきた時、兄からの手紙を読んで、兄が自分のことを心配してくれていたことを知り、今まで兄をせめてきた自分をはずかしく思いました。そしてしょうがい者の兄のことを大切に思うようになりました。ここまで、ジョンシクとジョンミンは長い時間苦しみ、ど力し続けました。つまり「貴い幸せ」とは、自分でど力して見つけるものなのだと思いました。
ぼくもむずかしい状況の中でも、ど力して幸せを見つけられるような心の強い人になりたいです。
このお話でジョンミンとジョンシクは、町をさん歩しているときに、おばあさんにずっと「かわいそうに。」という顔でみられたり、歩いていたおじさんに、いきなり千ウォン紙へい(約百円)をわたされたりしました。この行動は、けんじょう者がしょうがい者をちがうものだと思っていることをしめしています。
ぼくは、しょうがい者に対してかわいそうだとか、ちがうものだと思うのはよくないことだと気づきました。それはしょうがい者がけんじょう者と同じ人間だからです。なのに、同じあつかいをうけられない今の世の中がとても悲しいとぼくは感じました。そもそもしょうがい者は自分のことをかわいそうだと思っているのでしょうか?ぼくはそうは思いません。それはこの本の中で、のうせいまひの人達が楽しくわらって食事をしている様子がえがかれていて、それがとても幸せそうに思えたからです。それにジョンシクも、「私たちに対して、けんじょう者のようにせっしてください。」と言っています。ぼくはしょうがい者の人の本当の気持ちを知って、それにこたえていきたいと思いました。
ところで、このお話はかん国のお話です。ぼくはかん国に行ったことはありません。かん国人のおともだちもまだいません。ぼくの両親も日本人で、父は出張で一度だけかん国に行ったことがあるそうです。母は行ったことがないそうです。ぼくがこのお話を読んだきっかけは、母がすすめてくれたからです。母は、かん国と文化交流の仕事をしている友達にすすめられたそうです。『ぼくのだいすきなお兄ちゃん』はかん国のお話です。でもぼくはあまりそのことをいしきしませんでした。お話を読んで、かん国人も日本人も同じようなことになやんだり、くるしんだりするのだと思ったからです。
ぼくはこのお話をよんで、立場のちがう人のいけんを聞くことの大切さを教えてもらいました。もしぼくがおおきくなって、立場のちがう人といっしょにべんきょうしたり、しごとをしたりすることがあれば、そのときはその人の気持ちをきちんと知って、そしてじぶんの気持ちもその人に知ってもらって、いっしょに協力しあってがんばりたいとおもいました。
ぼくは今年の夏休みに家族とドイツに行きました。行く前はあまり行きたいとは思いませんでした。でも、行ってみたら、日本とはちがう食べ物や鉄道があって、おもしろかったです。来年はかん国に行けたらなあと思っています。正直にいうと、ぼくはまだかん国のことをあまり知りません。学校でも塾でも、かん国のことはまだ出てこないからです。だから自分で勉強したり、両親に教えてもらってから行きたいと思っています。