現代アートギャラリー Alpha Contemporary (東京都港区) は、『キッチニズム ー台所に関しての全てー:大矢 加奈子、小津 航、毛塚 友梨、イム・スキョン』を 2024 年 5 月 11 日 より 5 月 30 日まで実施いたします。
本展は、生活の中心にあるキッチンをモチーフにした展示です。キッチンには、毎日の終わらない労働が集約されてい、水が流れる音、肉を焼く音、香ばしい香り、生肉を触った時の触感など、五感を刺激する要素が溢れています。 そして、家族の思い出が詰まった場所であり、効率性が問われる場所でもあります。ひいてはフェミニズムとの談論の対象にもなれる場所でもあります。
キッチンツールと来ると数時間も熱く語れる人もいれば、料理の段取りから、皿洗いなどキッチンでのお時間は、まさに全方位の感覚や神経を使う勝負のお時間であり、奥深い世界が広がる場所です。
今回の展示では、独自の視点と表現を持って制作された日韓4人の絵画、立体作品や台所など家での家事の様子を動画で収めたメディア・アート作品もご覧いただけます。
特に日本で初の紹介となるイム・スキョン(韓国)は、朝鮮王朝時代の王宮絵画の一様式である「チェッガド(冊架図、책가도)」と「チェッコリ(책거리)」からキッチンに纏わるモチーフを手掛けてた作品を展示します。
「チェッガド」と「チェッコリ」は、18世紀後半から19世紀に流行った韓国の伝統画の一つで、書物を中心として、生活用品や貴重品など様々な物品が描き入れられており、豪華さと気品を絵として表現したものです。屏風として文人の書斎に飾られることが多かったです。「チェッコリ」は、「チェッガド」に比べ、より軽く装飾的な面を強調した作品です。
今回は、キッチンという題材の中で、「チェッガド」と「チェッコリ」を手掛けています。例えば、男の子の誕生と子孫繁栄を願う種の多い果実と野菜は、キュウリ、ザクロなどで表現し、スタンドは、現代的な物として、灯台に代わっています。また、イムは、今も綺麗に残っている朝鮮王朝時代の王宮彩色画と同じく、千年間持つと言われる韓国の伝統的な韓紙に天然石彩を用いて描いています。
伝統的な絵画の様式を台所という身近な題材を持って現代的に表現したイムの作品をぜひ近くでご覧ください。
イムの来日に合わせて、5月14日2時よりアーティスト自ら作品の紹介と韓国の台所事情に関してお話いただくトークイベント(無料、登録無しに誰でも参加可能)も開催いたします。ぜひご参加ください。
■展示概要
□会期|2024 年 5 月 11 日(土)~5 月 30 日(木)
□イム・スキョントークイベント(作品紹介及び韓国の台所事情について)|2024 年 5 月 14 日(火)14時、無料、予約不要
□時間|火曜―土曜 12 時―18 時 (日、月、祝日:休廊) ※火曜:前日 18 時までにメールでの事前予約制 ※5 月 14 日(火)は、予約無しでもお越しいただけます。
□会場|Alpha Contemporary 〒108-0073 東京都港区三田2-13-9 三田東門ビル8F
□入場|無料
□お問い合わせ|infoalphacontemporary@gmail.com