TOMOKO様、こんにちは。

　韓国の現代小説を読む課題ということで、最近、出版されたものの中から、いくつか紹介しますね。

　『現代韓国短篇選』上・下、岩波書店、2003
　これは、韓国のよりすぐりの短編小説のアンソロジーになっています。個人的なオススメは、パクワンソさんの書いた「お母さんの杭」という短編です。朝鮮戦争の回想という語りの形式をとっているのですが、離散家族や分断問題などの現代的な問題、韓国が近代化を経る過程で経験した屈折など、韓国の現代史とからめながら読むこと”も”できる小説です。パクワンソさんの作品は、日本で他にもいくつか翻訳されているのですが、翻訳の中ではこの小説が一番のオススメです。ぜひ、読んでみてください。

　「６　stories 現代韓国女性作家短編」

　これも、女性作家のアンソロジーですが、現在も現役で活躍中の作家達の作品なので、現在の女性文学がわかると思います。

　長編小説だと、途中で読みにくく感じるものもあるでしょうし、短編小説をいくつか読んでみるのが、比較的簡単で、苦にならないと思います。
　それと、韓国文学を読む時には、作品の書かれた当時の社会状況を少し知っていると、理解しやすくなると思います。特に、70・80年代に書かれた小説に関しては。現代韓国文学は、社会ととても深い関係があって、新書なんかで、わかりやすく読めるものがあるので、読んでみるのもいいですね。でも、女性文学にするなら、
　
　　青柳優子著『韓国女性文学研究　1』御茶ノ水書房、1997

　を読むと、読み方のヒントをいっぱい得ることができると思います。このヒントをもとにすると、だいぶレポートが書きやすくなると思います。
　私も、大学１年生の時に、宿題で韓国文学のレポートを読んで書くというのがあったのですが、最初は、読んでも何がなんだかさっぱりわかりませんでした。少しずつ理解できるようになったと感じたのは、留学して、実際に韓国で住んでみてからです。レポート、大変だと思いますけど、がんばってくださいね。

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