インド発祥の「仏教」は、中国へ伝来し「禅」という思想と融合され、禅仏教の基盤が作られた。その思想はその後、
中国から韓国と日本へ伝わり、各地や宗派によって発展し、それぞれの形を成していく。座禅ひとつにとっても
「念仏禅」や「黙照禅」、「看話禅」など多様にあるが、永遠の自由を求める仏教の精神は根本的に同じである。
韓国にて主流である参禅の修行法「看話禅」は、「話頭」を用いて悟りの世界を求め精進していく方法。
人間の直観に触れる暗号である「話頭」とは何か。そして「看話禅」とは。
韓国仏教の寺院での取材と共に、偉大な禅師たちのインタビューを交え、「話頭」と「看話禅」の世界を
ビジュアル的にひも解いていく一冊。


＜内容＞
Prologue : 韓国の看話禅の思考法「直観」
1. 선 Seon (Sŏn, 禅)とは
2. 韓国の禅、看話禅
　鷲棲寺、無如(무여 ムヨ)大禅師の法門
　2-1. 看話禅とは
　2-2. 話頭とは何か
　2-3. 話頭参究法
　2-4. 話頭参究の利点と現代における活用
　2-5. 話頭参究の訓練過程
3. 話頭「이뭐꼬 是甚麼」Photo Essay
4. 禅房巡礼
　4-1. 比丘禅房 : 海印寺白蓮庵(해인사 백련암 ヘインサ・ベクリョンアム)
　4-2. 比丘尼禅房 : 石南寺(석남사 ソクナムサ)
　4-3. 参禅体験 : 美黃寺(미황사 ミファンサ)
　　　　金剛(금강 グムガン)僧侶のテンプルステイ参禅プログラム
　　　　『참사람의 향기(真の愛の香り)』
5. Colum
　5-1. 参禅は心を現在に置くこと-智仁(지인 ジイン)僧侶の参禅よそ行き
　5-2. 四天王寺で引き継がれる 授戒灌頂会の記憶 – Asako Tsurusaki(Someone’s Garden)
　5-3. 3カ国(中・日・韓)で体験した瞑想修行 – Sonja Schubert from Germany
6. Photo Essay
　6-1. 冬安居と夏安居、結制と解制
　6-2. 土窟修行
　6-3. 八萬大蔵経
7. 禅詩
　7-1. 休靜(휴정 ヒュジョン)禅師
　7-2. 性徹(성철 ソンチョル)禅師
8. 禅画
　法観(법관 ボブグァン)僧侶interview
Epilogue に代えて
　宗教比較学的観点から見た韓国の禅仏教　by チェ・ヒョンミンシスター