世界を超えて私はあなたに会いに行く 著者 : イ・コンニム
ニックネーム : 仙台あんこ 掲示日 : 2021-11-26


時空を超えて届く手紙から、過去と現在、ふたりのウニュがつながっていく物語。
手紙が届く年齢やスパンが異なるため、その時々の立場、言動、関係性が面白い。
10歳から30歳へと、「妹」、「お姉さん」、「おばさん」と変化する過去ウニュは、16歳のままの現在ウニュへ、ひとりの大人としての態度や考えを述べていくようになる。結果、現在ウニュが変わっていく。
母親のことを知りたいと思っていた現在ウニュは、同時に父親のことも理解し、家族への深い思いが徐々に明らかになる。
読み進むうちに、「何か」に勘づくと思いますが、なおのこと、ふたりのやりとりに引き込まれていく。
作中、過去ウニュが現在ウニュに、
「お母さんが娘に会って、家族が一緒にご飯を食べて、泣いたり笑ったりする平凡な日常は、間違いなく誰かにとっては奇跡のようなことなんだよ。ただ私たちが気付いていないだけ。」って伝える場面がある。
本当にそれは奇跡で、かけがえがなくて、でも、いつか終わってしまうもの。
現在ウニュと同じように、私も過去ウニュに励まされた、気づかされた。
作者が、この二人に感謝を伝えたように、私も、この物語を届けてくれた作者に感謝を伝えたい。

表紙 タイトル
年年歳歳 ファン・ジョンウン
韓国文学の中心にあるもので紹介されていて以前から気になっていたところに、インスタでもオススメされていたことから、原書も併せて購入し読みました。 時代や社会に翻弄されながら、タイプの違う3人の女性...
君という生活 キム・ヘジン
「君」という存在について、「僕」の視点でつづられていく短編。私は韓国語が判らなくて翻訳を読むしかないのだが、これは原文で読むべきなのだろう。それほどに、感情描写が繊細(それが翻訳であっても感じる)だし...
普通のノウル イヒヨンさん
17歳の少年ノウルが「普通」って何だろうと頭を悩ませながら、他の誰でもない自分だけの基準と価値観に基づいて普通や当たり前と向き合い受け入れていく姿に、「それでいいんだよな」と私も勇気をもらいました。生...
破果 ク・ビョンモ
60代の女殺し屋が最後の死闘に向かっていく様子を、鮮明に、もはや生々しく感じられる物語でした。中でも特に、最終盤の闘いの場面では思わず呼吸が速くなったし、何度も目をつむってしまうほどでした。 また、...
プリズム ソン・ウォンピョン
本書でめぐった4つの季節・一年を、2日で駆け抜けてしまった。読み進めなければ、誰が誰とつながり、誰が誰にどんな感情を持っているのかを忘れてしまいそうだったから。 物語は夏からはじまり、夏でおわる。や...


코시스센터
Korea Net Japanese
Hello K! - Youtube
korea net banner
STAY HOME AND ENJOY K-ARTS