ショウコの微笑 著者 : チェ・ウニョン
ニックネーム : かっちゃん 掲示日 : 2021-11-26


タイトル作「ショウコの微笑」を始め、本作は他者との関わり合いの中で無傷でいられないながらに懸命に生きる人たちの物語でした。そして、読み進めていくほどに、この小説の登場人物が受ける痛みをただの個人の経験というだけに集約できないことに気がつきます。その背景には、家父長制、学歴社会、家族主義的な介護など、強固に積み上げられた構造的な社会問題が必ず存在していることがわかります。こんな社会の中で「普通に」生きるってなんなんだろうか。
 韓国のことわざで「卵を岩を打つ」と言う言葉があることを知りました。本来は無謀なことの例えですが、最近では「打つことはできなくても、汚すことはできる」というもう一つの解釈が生まれたそうです。この小説を読み終えたとき、でも私たち卵くらいは持ってる!と登場人物たち、そして私の少ない友人たちの顔、顔、顔を思い出しました。

表紙 タイトル
年年歳歳 ファン・ジョンウン
韓国文学の中心にあるもので紹介されていて以前から気になっていたところに、インスタでもオススメされていたことから、原書も併せて購入し読みました。 時代や社会に翻弄されながら、タイプの違う3人の女性...
君という生活 キム・ヘジン
「君」という存在について、「僕」の視点でつづられていく短編。私は韓国語が判らなくて翻訳を読むしかないのだが、これは原文で読むべきなのだろう。それほどに、感情描写が繊細(それが翻訳であっても感じる)だし...
普通のノウル イヒヨンさん
17歳の少年ノウルが「普通」って何だろうと頭を悩ませながら、他の誰でもない自分だけの基準と価値観に基づいて普通や当たり前と向き合い受け入れていく姿に、「それでいいんだよな」と私も勇気をもらいました。生...
破果 ク・ビョンモ
60代の女殺し屋が最後の死闘に向かっていく様子を、鮮明に、もはや生々しく感じられる物語でした。中でも特に、最終盤の闘いの場面では思わず呼吸が速くなったし、何度も目をつむってしまうほどでした。 また、...
プリズム ソン・ウォンピョン
本書でめぐった4つの季節・一年を、2日で駆け抜けてしまった。読み進めなければ、誰が誰とつながり、誰が誰にどんな感情を持っているのかを忘れてしまいそうだったから。 物語は夏からはじまり、夏でおわる。や...


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